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住宅特集 2009年7月号
表紙の作品:Kanta's Jungle・LCSH-#14
撮影:新建築社写真部
 
定価:¥2,000(本体¥1,905) 168頁
297mm x 221mm
 

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特集/ストックを活かす
Kanta's Jungle・LCSH-#14=横河設計工房 塩屋町の住居=島田陽/タト アーキテクツ T-10f=石田敏明+石田敏明建築設計事務所 西賀茂の家=河井明/河井事務所 HOUSE-R=池村圭造/UA 貝塚の住宅=荒木洋長澤浩二/AN Architects 斜景の棲家=村田基幸安田綾香/L&C design

作品
玄以の家=
ケンチクイロハ 江波東の家=宮森洋一郎建築設計室 Ravel=竹内申一建築設計事務所 藤久保の家=吉田豊/吉田豊建築設計事務所 M HOUSE=駒田剛司駒田由香/駒田建築設計事務所 下鴨の家3=長坂大/Mega 仙台の家 “オオキナキ”=末光弘和末光陽子/SUEP.

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Kanta’s Jungle
LCSH-#14

(名古屋・伊藤邸Renovation)
設計 横河健/横河設計工房
施工 加納工務店
所在地 名古屋市緑区
住宅特集 2009年7月号 020頁

MAP

 
喫茶店として使われていた川沿いの鉄骨造の倉庫を住宅としてリノベーションしている。1階天井の一部を抜いて吹き抜けを取り、1階と2階の気積をつないだ。吹き抜け部分リビングの床は石張り。それが外部テラスと統一した仕上げとなっていて、外部が内包化されたような、インテリアが外に開くような空間がつくられている。

撮影:新建築社写真部
塩屋町の住居
設計 島田陽/タト アーキテクツ
施工 キョーワ・テクノ
所在地 神戸市垂水区塩屋町
住宅特集 2009年7月号 030頁

MAP

 
昭和中期のごく普通の住宅の改修。外観には手を加えず、内部に2・7×2・7×高さ5・4mの箱(階段室)を挿入し、内側は白い抽象空間として、それを取り囲むようにさまざまな質をもつ空間を配した。もともと小割りにされていた部屋は、このヴォイドを介して統合される。また、その際に現れた構造材は現しとして仕上げている。

塩屋町の住居
撮影:新建築社写真部
西賀茂の家
設計 河井敏明/河井事務所
施工 和田工務店
所在地 京都市北区
住宅特集 2009年7月号 048頁

MAP

 
雛壇敷地の中段に建つ住宅の改修。雛壇敷地とそこからの眺望が活かされていない状態を改めている。ほぼ2階レベルに位置する前面道路から2階へ直接アプローチできるようにブリッジを増設し、雛壇敷地ならではの新しい動線を生みだしている。間取りや開口部を改修し、眺望や周囲への関係が一新された。

西賀茂の家
撮影:新建築社写真部
HOUSE-R
設計 池村圭造/UA
施工 サトー企画
所在地 東京都世田谷区
住宅特集 2009年7月号 056頁

MAP

 
奥行が長く敷地の三方を隣家に囲まれ、前面道路は人通りが多いため、屋根に透過材(FRP波板)を使用することによって、上部から採光している。また、ガラスクロスの天幕やFRPハニカムコアパネルの床によって、その光が濾過されて2階から1階へ落ちる。既存建物の暗い印象を克服し、光溢れる住宅となった。

HOUSE-R
撮影:新建築社写真部
貝塚の住宅
設計 荒木洋+長澤浩二/AN Architects
施工 三陽工務店
所在地 大阪府貝塚市
住宅特集 2009年7月号 062頁

MAP

 
三軒長屋の二軒部分を一軒につなげ、柱や梁をそのまま残した空間に2×4材を横使いした構造の箱を配置した住宅の改修。

既存部の壁を取り払ってスケルトンにした中に、新しく構造体でもある立方体の『箱』を入れ子にしている。奥が暗くなってしまう長屋特有の欠点を、トップライトを設け、効果的に窓を設けることにより解消し、光を建物全体に回している。

貝塚の住宅
撮影:新建築社写真部
シャケイノスミカ
斜景の棲家
設計 村田基幸+安田綾香/L&Cdesign
施工 フレックス・エス・ピー
所在地 川崎市宮前区
住宅特集 2009年7月号 068頁

MAP

 
内井昭蔵が1971年に設計した「宮崎台ビレジ」の1戸を購入し、住み始めるにあたって改修したもの。逆梁の構造や押入が外部に飛び出していることによるインフィルの再構築の可能性、急斜面地を囲む蛇行配置によって各住戸からの見える緑に惹かれ購入に至ったという。改修にあたっても外部の緑を活かすために全体の色調をモノトーンにし、緑に臨む採光面の連続性を確保するために間仕切りを設けていないなど、内井昭蔵の建築を読み込むかたちで設計が行われている。

斜景の棲家
撮影:新建築社写真部
玄以の家
設計 ケンチクイロハ
施工 田中工務店
所在地 京都市北区
住宅特集 2009年7月号 092頁

MAP

 
染織造形作家が住む二世帯住宅。賀茂川沿いに位置し、賀茂川の土手となる加茂街道と同じレベルの2階に、住宅の《アートのあるエントランス》としてギャラリースペースが設けられている。また、スキップフロアによる高低差や、東西を分断する1枚のコンクリート壁、太鼓貼りの障子などによって、多種の機能を緩やかに分節しながらも融合させている。

玄以の家
撮影:新建築社写真部
江波東の家
設計 宮森洋一郎建築設計室
施工 アルフ

所在地 広島市中区
住宅特集 2009年7月号 102頁

MAP

 
生活空間を一体的に捉えるため、ランドスケープのように住宅が計画されている。「階」と感じられない程度のレベル差が連続し、そのレベル差によって生まれた隙間から敷地の隅々にまで目が届く構成。また防炎メッシュによって囲われたふたつの中庭が、プライバシーを保ちつつも周囲に対して閉鎖的な空間にならないような住宅にしている。

江波東の家
撮影:新建築社写真部
Ravel
設計 竹内申一建築設計事務所
施工 タックホーム
所在地 神奈川県鎌倉市


 
住宅特集 2009年7月号 110頁

MAP

 
建主の要望は、開放的で非日常的な楽しさをもつ空間。そこで、部屋の単位や壁と開口部のような建築的な分節、方位や階のようなヒエラルキーをもたない建築を、ドライで単純なシステムによってつくり出している。方法としては、一層に満たない高さ(H=2・1m)の壁ピースを、平面と断面それぞれの方向にずらしながらイゲタ状に組み合わせ、ヒダやスキマの多い迷路状の断面をした空間を実現している。

Ravel
撮影: 新建築社写真部
藤久保の家
設計 吉田豊/吉田豊建築設計事務所
施工 藪崎工務店
所在地 埼玉県入間郡三芳町
住宅特集 2009年7月号 118頁

MAP

 
前面道路側が南面し、南北に設けた単純な水平連続窓による開口構成が特徴的な住宅。3階では、ベンチ程度の高さの腰壁をもつ天井の半分の高さの南面の開口と、北面の屋上テラス空間に向けた全開口とすることで、外に対してわずかに閉じながら、テラスに対して開かれた立体的な中庭型の空間構成となっている。

1,2階の階高を極力抑え、各階を少ない段数でつなぎつつ、道路斜線制限内で3階のヴォリュームをできるだけ確保するため、天井高を1階で2,100㎜、2階で2,250㎜、3階では3,750㎜と設定されている。

藤久保の家
撮影: 新建築社写真部
M HOUSE
設計 駒田剛司+駒田由香/駒田建築設計事務所
施工 Sobi
所在地 東京都
住宅特集 2009年7月号 124頁

MAP

 
交差する門型の壁フレームが、10,350×7,200mmの矩形平面を9つの空間に分ける。1階天井高は2,400mm。下がり壁は一方向から見ると、すべて違う色で塗り分けられ全6色で構成される。

M HOUSE
撮影:新建築社写真部
下鴨の家3
長坂大/Mega

施工 サクジ工務店

所在地 京都市左京区
住宅特集 2009年7月号 132頁

MAP

 
京都市内の賀茂川のほど近くに建つ住宅。直接賀茂川を望むことはできないが、住宅全体が賀茂川の方に向かっている断面構成となっている。1階の奥に配置されたダイニングから、大階段を介して、2階のリビング、外部のテラス、その先の賀茂川の上空までへと一直線に視線が抜ける。

下鴨の家3
撮影:新建築社写真部
仙台の住宅“オオキナキ”
設計 末光弘和+末光陽子/SUEP.
施工 聖建設
所在地 宮城県仙台市
住宅特集 2009年7月号 140頁

MAP

 
中央の壁柱を軸に3.6m角の4グリッド田の字型プランによって、5つのレベルがスキップフロアで展開されている室内。壁柱は樹木のように下階では小さく、上階になるほど大きくなり、ダイニング・リビングなどパブリック性が高い場所では、室同士のオープンな関係をつくり、寝室などプライバシーが求められる場所では、部屋という囲まれた場所になっていく。

 


仙台の住宅 “オオキナキ”
撮影:新建築社写真部
Kanta’s Jungle LCSH-#14作品解説
桜並木に開く立体ジャングル
レーモンドの建築で有名な南山大学に勤めている方から連絡が入った。若い夫婦+子供一人半(お目にかかった当時は次男がお腹の中)の住宅の依頼だった。予算が厳しいこともあってどうしようか……と迷ったが、当時たまたま名古屋周辺の仕事が続...
横河健
住宅特集 2009年7月号 020頁
Kanta’s Jungle LCSH-#14作品解説
構造的負荷を減らした回遊性のあるプラン
既存建物の検査済み証が残っていなかったことから役所の第一声は「改修工事の申請はできません」というものだった。困ったものである。このため設計方針を鉄骨構造フレームに部分的な補強をしながら自由に構成していく方向から、「より危険性が...
横河健
住宅特集 2009年7月号 020頁
塩屋町の住居作品解説
白い抽象空間の挿入による異化作用
2・7×2・7×高さ5・4mの箱を、家の中心に挿入して内側から構造的に補強し、その内部は白く塗り込めた。突然現れた白い抽象空間の異化作用により、ありふれた既存の仕上や構造体が、美しいものとして再発見されるのではないかと考えた。...
島田陽
住宅特集 2009年7月号 030頁
塩屋町の住居作品解説
複数の個室空間をヴォイドを介して統合する
竣工 1964年5月(築44年)
ごく普通の家族用住宅
建主に案内されて既存住宅を見た時の印象は、「ごく普通の、ありきたりの住宅」というものだったが昭和中期の意匠を纏ったその住宅は、いい感じに枯れて、匿名的...
島田陽
住宅特集 2009年7月号 030頁
塩屋町の住居作品解説
補足的な機能空間を中心に据える
建主は二〇代の男性で、築五〇年ほどの木造2階建ての一軒家を購入し、改装をわれわれに依頼した。こういう場合のリフォームの常套手段は、既存壁を取り払い大空間を得て、それでよしとするものだが、それでは構造体への負担が大きすぎる。また...
島田陽
住宅特集 2009年7月号 030頁
西賀茂の家 作品解説
竣工 1982年(築25年) 敷地を活かしきれていない家
今回改修を依頼されたのは10年ほど前に中古にて購入された築25年の木造住宅。4人の子供たちの成長などから間取りがライフスタイルに合わなくなってしまい、改修とあいなった。実際に建物を見て、プランニング以外でもっとも気になったのは...
河井敏明
住宅特集 2009年7月号 048頁
西賀茂の家 作品解説
既存サッシを活かした新しい開口部
開口部回りには各部の納まりが集約されているので、手を入れるとサッシなど開口部そのものの値段に加えて外壁などの関連する部分の改修も増えて、コストが加速度的にかかってしまう可能性が高い。一方改修の場合、外観上の輪郭線は変えないこと...
河井敏明
住宅特集 2009年7月号 048頁
HOUSE-R 作品解説
「もったいない」による改修
都心への通勤の便を考えて、東京の商業地に小さな土地を購入した建主にとって、そこに付属した既存家屋への思い入れはなかった。家はまさに、そこにすでに存するものでしかなかったわけで、建主の改修へのこだわりは建物への愛着によるものでは...
池村圭造
住宅特集 2009年7月号 056頁
HOUSE-R 作品解説
光の改革
前面の道は狭くて人通りも多いため、正面の開口を地上レベルで設けると、人の気配が気になり有効に活用されにくい。そこで、光は上空から内部に採り込むことにした。道と内部とは建物の脇へと入るアプローチを介してつなげ、正面は既存のモルタ...
池村圭造
住宅特集 2009年7月号 056頁
HOUSE-R 作品解説
築40余年 内外を遮断した家
もとの暮らし振りについては残されていたものによって推し量ることができた。間取りから察するに、狭い家ながら以前の家主は2階を貸し間にしていたようである。正面の窓には、辺りの家々と同様に型ガラスが愛想なく嵌め込まれてい...
池村圭造
住宅特集 2009年7月号 056頁
HOUSE-R 作品解説
道の延長のような住まい
40余年を経た建物の架構と外壁を残しながら、内部を長手に分ける壁を棟に沿って建ち上げて、長細い一筆描きのような平面形とした。空間としての距離を長くとることで、架構によって限られた内部ヴォリュームを使い込み、一筆描きの終端となる...
住宅特集 2009年7月号 056頁
貝塚の住宅作品解説 その1
暗い長屋に光を採り込む
計画地は大阪の南部、江戸時代からの武家屋敷が数多く残る貝塚市の一角。自身でブランドを展開する三〇代のアパレルデザイナーと、奥様がこの家の建主。はじめは新築を希望されていたが、子供が産まれることもあり、一日も早く家を構えたいとの...
荒木洋 x 長澤浩二
住宅特集 2009年7月号 062頁
貝塚の住宅作品解説 その2
風景の多様さを生む構造箱
三軒長屋の二軒部分を一軒につなげ、長屋の柱や梁をそのまま残した空間に2×4材を横使いした構造の箱を配置した。もともと狭い空間だったので少しでも部屋を広く取るためにできるだけ壁の厚さを薄くした。エントランスから通路を挟んで右には...
荒木洋 x 長澤浩二
住宅特集 2009年7月号 062頁
貝塚の住宅構造解説
耐力箱構造
改修に際しては、次の二点をテーマとした。ひとつは、できるだけ往時をしのばせる佇まいを残すこと。もうひとつは耐震化を図りながら建...
住宅特集 2009年7月号 062頁
斜景の棲家 作品解説
宮崎台ビレジに一目惚れ
東急田園都市線沿線で中古マンションを探していた私たちが、さまざまな物件を検討した後、最終的にたどり着いたのが内井昭蔵氏設計の「宮崎台ビレジ」(竣工一九七一年、詳細は七〇頁参照)であった。
わずか一九%という建蔽率で急...
安田綾香 x 村田基幸
住宅特集 2009年7月号 068頁
宮崎台ビレジ 作品解説
竣工 1971年(築37年) 集合住宅の合理性と独立住宅の居住性
桜台コートビレジと、桜台ビレジに引き続き実現した集合住宅である。これも中層囲み庭の典型的な手法をとったものである。この集合住宅の意図も、桜台ビレジと同様、地域開発の核としようということであった。敷地条件は桜台ビレジよりも悪く、...
内井昭蔵
住宅特集 2009年7月号 068頁
斜景の棲家 作品解説
インフィルの再構築の可能性
逆梁の採用により、各住戸の開口部は天井まで達し、内部に心地よい光と美しい景色を取り込んでいる。三面採光だから、視線や風もよく抜ける。また、収納部分を外部に飛び出させたその特異なプランの恩恵で、改修時の自由度が非常に高いのも大き...
安田綾香 x 村田基幸
住宅特集 2009年7月号 068頁
斜景の棲家 作品解説
光の風景・緑の風景
田の字に分割しても各部屋の開口面積と収納量がすべて同じとなるような完全対称の空間構成がこの住戸の特徴である。そのためプランバリエーションはいくつも考えられたが、最終的には空間全体を家具で緩やかに分割したワンルームとした。傾斜方...
安田綾香 x 村田基幸
住宅特集 2009年7月号 068頁
斜景の棲家 作品解説
建築の中に息づく素材の選択
「宮崎台ビレジ」のシンプルな建築のフォルムやディテールに協調し、また外部の豊かな緑がより鮮やかに引き立つよう、全体の色調はモノトーンに、各部のディテールはよりミニマムな納まりとした。一見、無機質な空間に温もりや彩りを与えるのは...
安田綾香 x 村田基幸
住宅特集 2009年7月号 068頁
玄以の家 作品解説
染織造形作家が住む二世帯住宅
京都盆地の北部、北山の豊かな緑と賀茂川の緩やかな流れに囲まれた静かな住宅地にこの敷地は位置する。染織造形作家のために計画された住宅で、自作のためのギャラリーを内包するだけでなく、子世代と共に暮らすことができる二世帯住宅としても...
田岡佳江子 x 植南草一郎
住宅特集 2009年7月号 092頁
玄以の家 作品解説
視線と空気の流れを生み出す
敷地の前を走る街道とギャラリースペースとは、同じ高さとなるように計画されている。つまり堤防上を散歩する人や通り過ぎる車窓からは、ちょうどショーウィンドウのように眺められる。ギャラリースペースからワークスペースを介して、3階へと...
田岡佳江子 x 植南草一郎
住宅特集 2009年7月号 092頁
玄以の家 作品解説
多様な機能空間を融合させる
ギャラリースペースは日常生活の延長上と位置付けられていて、《客を迎える場》=《アートのあるエントランス》としてこの複合的な住宅の核となるよう計画されているだけでなく、親世帯と子世帯との間を区切る緩やかなバッファーとしての役割も...
田岡佳江子 x 植南草一郎
住宅特集 2009年7月号 092頁
江波東の家 作品解説
条件を聞く
建築の設計は、与条件を把握してそれを空間化していくことといえる。空間化の過程に建築家の能力や個性が求められるわけだが、最近は条件把握のほうにこそ、より建築家の能力や個性が求められるのではないかと思っている。条件が変わればまった...
宮森洋一郎
住宅特集 2009年7月号 102頁
江波東の家 作品解説
ランドスケープのような家づくり
与条件からイメージした空間を実現するため、いくつかのルールを設定した。「階」と感じられない程度のレベル差の連続で全体を構成すること、敷地上の空間を立体的に回遊できる構成とすること、どの場所にいても各場所の隅々にまで視線が届くこ...
宮森洋一郎
住宅特集 2009年7月号 102頁
Ravel作品解説
自由で非完結的な建築
敷地は、東京都心から約50㎞の距離にあり、サーフィンで有名な海岸のエリアに位置している。都市から離れ、週末をゆっくり過ごすための住宅という条件から、開放的で非日常的な楽しさをもった空間が求められ...
竹内申一
住宅特集 2009年7月号 110頁
Ravel作品解説
建築を解きほぐす
土木構造物のような質をもった空間を実現させるには、部屋の単位や壁と開口部のような建築的な分節、方位や階のようなヒエラルキーをもたない建築を、ドライで単純なシステムによってつくり出すのがふさわしいと思われた。一層に満たない高さ(...
竹内申一
住宅特集 2009年7月号 110頁
藤久保の家作品解説
行き止まりのない拡がりをつくる
埼玉郊外の私鉄沿線沿いの閑静な住宅地に建つ、夫婦と子供ふたりのための専用住宅である。二台の駐車スペース、家族の気配を感じるワンルーム的な明るい空間のほか、屋上スペースの確保が条件として提示された。
決して広くはない敷...
吉田豊
住宅特集 2009年7月号 118頁
藤久保の家作品解説
スケール感と開口の考え方
最上階にリビングが位置するため、1、2階の階高を極力抑え、各階を少ない段数でつなぎつつ、道路斜線制限内で3階のヴォリュームをできるだけ確保するため、天井高を1階で2100㎜、2階で2250㎜、3階では3750㎜と、慎重に設定し...
吉田豊
住宅特集 2009年7月号 118頁
藤久保の家作品解説
家族の気配を伝える装置としての階段
居室の面積を有効に確保するため、中央に階段を配置し、廊下のない平面計画としている。この階段が閉じた室にならないように、寝室とは半透明な建具で仕切ることとした。建具を開放すれば、蹴込板のない軽やかな鉄骨階段を介して室相互を見通す...
吉田豊
住宅特集 2009年7月号 118頁
M HOUSE作品解説1
「森」の中を歩くような気持ちよさ

設計に先立ってこの場所に住まわれていた建主のお宅を訪問した。ごく普通の日本家屋なのだが、増築や改修がなんの脈絡もなく施され、結果として何ともいえない生き生きとした場になっていた。玄関の先がいきなり書斎で、和室を挟ん...
駒田由香 x 駒田剛司
住宅特集 2009年7月号 124頁
M HOUSE作品解説2
多義的な場の生成
「森」のような場所をつくりたいと思った。森の木々の間を歩いていると、そこここにさまざまな居場所になりそうな場所があることに気付くはずだ。木に寄りかかるのに丁度よい場所、根元に座ると気持ちのよさそうな場所、そこだけ木がなくてぽっ...
駒田剛司 x 駒田由香
住宅特集 2009年7月号 124頁
M HOUSE作品解説3
壁色について
4枚の内壁は表裏を別色とし、どこから見ても同じ色が同時に見えないように6種のステインカラーで塗り分けられている。それぞれの色はできる限り「普通」でありながら、色調を少しずつ変えることで空間に「森」の中にいるような奥行き感が出る...
駒田由香 x 駒田剛司
住宅特集 2009年7月号 124頁
下鴨の家3 作品解説
「向き」について
建築には「向き」のようなものがある。日本人は南向きの住まいを好むといういい方は、この南という方角が、日本の住宅の部屋の配列や開口の扱いを決める主要因となっていることを示している。多くの窓を南に向かって開いた住宅は、結果的に建築...
長坂大
住宅特集 2009年7月号 132頁
下鴨の家3 作品解説
「向き」と階段
ダイニングとリビングを大階段でつなげて見上げ方向の空間の向きをつくり、その空間の意識的な延長が前面道路を飛び越えるように計画した。
この大階段を降りた先には静かな裏庭を設けている。ダイニングで方向転換し、大階段の脇か...
長坂大
住宅特集 2009年7月号 132頁
仙台の家 “オオキナキ”作品解説 その1
立体田の字型プラン→大きな樹
仙台市若林区に建つ夫婦ふたり、幼い子供ふたりのための小さな住宅。敷地は、幹線道路から一本入った小道のいちばん奥にある小さな場所で、郊外の風景と住宅地のひっそりした雰囲気が入り混じった環境にある。
予算や工期の制限から...
末光弘和 x 末光陽子
住宅特集 2009年7月号 140頁
仙台の家 “オオキナキ”作品解説 その2
閉じた系と開いた系が連続した環境
家にいてもネットや携帯で常に外部と接続している現代では、完全に閉じるのではなく、ただオープンでもなく、なんとなく気配を感じながらも好きなことをしているような、現代人に合った距離感を考えることが重要だと思う。個室とオープンなLD...
末光弘和
住宅特集 2009年7月号 140頁
仙台の家 “オオキナキ”作品解説 その3
設備と一体化した十字壁
大きなワンルームであるこの住宅では、寒冷地であるため、冷房の問題はないものの、通常の空気媒体による空調では暖房時の温まった空気の上昇のため難しく、ここでは、立体的な温水式床暖房による接触暖房のシステムを計画した。安価なオリジナ...
末光陽子
住宅特集 2009年7月号 140頁
論文
ストック改修時代の設計 前編 初期性能重視型設計から維持管理重視型設計へ
「先導的モデル事業」に見る「長寿命化住宅」
 昨年一二月に成立した「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、六月四日から長期優良住...
住宅特集 2009年7月号 016頁